大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

広島家庭裁判所福山支部 昭和45年(家)51号 審判

申立人 市村正子(仮名)

主文

申立人が

父 不詳

母 島田文子

氏名 島田正子

出生年月日 昭和一九年七月一五日

として本籍北海道中川郡○○町字○○△△△番地筆頭者島田元助改製原戸籍を回復して同戸籍に就籍することを許可する。

理由

申立人は、「本籍 福山市○○町○丁目○○○番地、父不詳、母島田文子、氏名島田正子、出生年月日 昭和一九年七月一五日」として就籍することの許可を求め、その実情として、申立人は、本籍北海道札幌市○○○△△△番地筆頭者市村進戸籍に上記市村進、同人妻たみの長女として在籍していたが、札幌家庭裁判所昭和三九年(家イ)第五〇九号親子関係不存在確認調停事件の審判が昭和四〇年三月二二日確定したことにより上記市村戸籍から除籍されその結果無籍者となつたので本申立に及んだと述べた。

当裁判所の事実調査の結果、申立人は、昭和一九年七月一五日午後五時三〇分札幌市○○○○○△丁目助産婦(亡)柿坂コト方において本籍 北海道中川郡○○町字○○△△△番地島田文子(大正一三年一〇月一三日生)を母として出生したが、事情あつて前記市村進夫婦の長女として届出られたこと、ところが札幌家庭裁判所に申立てられた申立人を相手方とする市村進申立の親子関係不存在確認調停事件の審判が昭和四〇年三月二二日確定しその結果申立人は前記市村戸籍から除籍され無籍者となつたこと、並びに申立人の母島田文子は昭和二四年七月六日本籍 北海道十勝郡○○町字○○△△△番地大野浩と婚姻し北海道広尾郡○○町字○○△△△番地に居住しているが、同人には申立人の出生届をなす意思がないことがそれぞれ認められる。

ところで、本件申立人が戸籍に登載されるためには本来戸籍法第五二条二項により前記島田文子(現大野文子)の出生届によるべきであるが、前記認定のように同人に出生届出の意思がないので、子の出生当時の母の戸籍に就籍させるべく、主文のとおり審判する。

(家事審判官 森川憲明)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例